財団概要

財団の成り立ち(設立経緯)

財団法人「黒田緑化事業団」は、コクヨ株式会社常任監査役故黒田敏之助の遺志に基づき、同氏所有のコクヨ株式100万株を基本財産として、昭和48年10月に設立されました。
敏之助の父でコクヨ創業者の黒田善太郎は、緑化に対して非常な関心を持っており、「見て美しいと感じる素直な心が商品の品質に通じ、また木を育てることが人間造りにも通じる」と説き続けていました。この精神はその後も強く受け継がれ企業内において常に緑化に心掛け、従業員のみならず付近住民に緑の場を提供してまいりました。ところが外に目を向けると無計画な国土開発により都心やその近郊において緑の木々は切り取られその状況は悪化していく一途で、特に大阪府は我国経済の推進役を担って来た結果、憂慮すべき状況に立ち至っておりました。また敏之助の生まれ育った大阪市は上町台地を除いた地域が昔は海だったため緑がほとんど存在しませんでした。このような状況で敏之助は常に美しい「みどり」の回復ひいては人間性の回復をはかる大きな役割を果たしたい、という意思を生前強く持っておりました。
「みどり」の木は生活に潤いを与え、住民の心に安らぎを取り戻すのみならず、公害対策の一つであると言われております。大量の酸素を出し、大気中の有害物質並びに大量の塵埃を大地に還元するという機能を有し、人類の生存のために欠かすことのできない貴重な存在であります。この「みどり」に対する創業者善太郎以来の伝統的な緑化に対する強い関心と敏之助の強い遺志に基づき、当事業団は設立されました。

財団の成り立ち(設立経緯)